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こんにちは♪
福岡市東区にある、悠久の歴史を刻む神社――
それが今回ご紹介する「筥崎宮(はこざきぐう)」です。
「筥崎八幡宮」とも称されるこの社は、全国に数多ある八幡宮の中でも、宇佐神宮(大分)、石清水八幡宮(京都)と並ぶ“日本三大八幡”の一つとして知られています。
特に、鎌倉時代の蒙古襲来(元寇)と深く関わるこの地は、“敵国降伏”という歴史的フレーズの舞台でもあり、歴史好きにもたまらないスポット。
今回は、そんな筥崎宮の起源、建築美、そして祈りの空気を感じられるおすすめの巡り方をお届けします!
◆筥崎宮の由緒と伝承|誕生の地に宿る神聖
筥崎宮の創建は、なんと平安時代の923年(延長元年)。
神功皇后が応神天皇を出産した際、胎盤やへその緒(胞衣=えな)を箱に納めて埋めたことがこの地名「筥崎」の由来だと伝わります。
当初は飯塚市にあった「大分八幡宮」から神霊を遷して祀られたとされ、応神天皇・神功皇后・玉依姫命の三柱をお祀りする、由緒正しき式内社として全国にその名を知られています。
◆国家鎮護の社|元寇の地に刻まれた「敵國降伏」の文字
歴史の大きな転機が訪れたのは鎌倉時代の1274年。
元(モンゴル帝国)による最初の襲来、「文永の役」が博多湾に迫ります。
その戦火で筥崎宮は一度焼失しましたが、当時の亀山上皇が再建を命じ、自らの筆で書いたとされる「敵國降伏」の文字を奉納。
この言葉は、今も楼門正面に掲げられた巨大な扁額として、静かに人々を迎えています。
現代において「敵国」という言葉は刺激的に映るかもしれませんが、これは当時、国家を守り、安寧を願う祈りの言葉だったのです。
◆見どころ① 国指定重要文化財「楼門」「本殿」「拝殿」
境内に一歩入ると、まず目に飛び込んでくるのが、1594年(文禄3年)に建てられた「楼門」。
重厚な木造建築の中央に堂々と掲げられた『敵國降伏』の扁額は、神社としては異例ともいえる存在感を放ち、日本唯一の“軍門”としての神門とされています。
さらに、本殿と拝殿は1546年(天文15年)の建築で、いずれも国の重要文化財。
戦国・桃山時代の建築様式が今に息づいています。
◆見どころ② 祈りと歴史を感じる境内散策
筥崎宮の境内は、ただ歴史を“見る”だけでなく、“祈りと文化を感じる”ことのできる場所でもあります。
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御潮井取り(おしおいとり)
鳥居脇に置かれた盛り砂は、身を清める“潮井”と呼ばれるもの。
右左の順に3回手に取り、胸元で清める所作が、参拝前の儀式です。
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亀山上皇像(東公園)と木彫原型
境内には、博多の防衛と社の再建に尽力した亀山上皇をたたえる木彫像も。
近くの東公園には、彼の銅像も立ち、歴史と信仰の橋渡しを感じさせてくれます。
◆見どころ③ 季節ごとの祭りや花の名所としても人気
筥崎宮といえば、秋の「放生会(ほうじょうや)」でも有名。
毎年9月に開催されるこの祭りは、“博多三大祭り”のひとつで、多くの屋台と人で賑わう“秋の風物詩”です。
また、春は桜、初夏にはあじさい、秋には紅葉が美しく、季節の花とともに神社をめぐる楽しさも格別です。
◆アクセス&基本情報
【所在地】
福岡市東区箱崎1丁目22-1
【アクセス】
・地下鉄箱崎線「箱崎宮前駅」すぐ
・JR鹿児島本線「箱崎駅」から徒歩8分
・駐車場あり(台数に限りあり)
【拝観時間】
境内自由(社務所・授与所は9:00〜17:00)
◆まとめ:戦いと祈りの記憶をたどる神域へ
筥崎宮は、ただの「歴史ある神社」ではありません。
国家の安泰を願い、戦いの影を背負いながらも、1300年近くの祈りを今に伝える“生きた歴史遺産”です。
楼門に掲げられた『敵國降伏』の扁額は、「争いではなく、平和と守りのための強さ」を象徴しているのかもしれません。
福岡を訪れるなら、ぜひこの神域を歩いてみてください。
そこには、歴史と信仰と人々の想いが織りなす特別な時間が、静かに流れています。